アーティスト

808 State

アシッド・ハウスのフロンティア 808 State (エイト・オー・エイト・ステイト) 。1988年の春にGraham Massey、Martin Priceによって結成、ユニット名はローランドのリズム・マシーンTR808から由来。自らのレーベル〈Creed〉からGerald Simpson (後にA Guy Called Geraldとしてソロ・デビュー)をフューチャーしたファースト・アルバム『Newbuild』をリリース(1999年に〈Rephlex〉より再発)。この頃ヒップホップのDJであったAndrew Baker、Darren Partingtonがメンバーに加わり、翌89年にミニ・アルバム「Quadrastate」をリリース。同年末には、〈Warner〉傘下の〈ZTT〉とメジャー契約し、セカンド・アルバム『Ninety』をリリース。セカンド・サマー・オブ・ラブ以降の巨大化したアシッド / レイブ・カルチャーと相まりその名を世界に轟かせることとなる。この頃から808 StateはGraham Massey名義でのリミックス・ワークも増え、Inspiral Carpets、Primal Scream、YMO、YES、David Bowie等々幅広いリミックスを手掛け、アメリカでは新曲をプラスした編集盤『808 UTD』としてヒップホップ系のレーベル〈Tommy Boy〉からリリース。91年にNew OrderのB.Sumner、当時はSugarcubesにいたBjorkをゲスト・ヴォーカルを迎え、大ブレイクを果たした『Ex:el』をリリース。アシッド / レイヴ・カルチャーの代名詞としてKLFやShamenなどと共に多くの媒体で取り上げられ、Stone Roses、Happy Mondaysを代表とするマンチェスター・ムーブメント =マッドチェスターにおけるテクノ・ユニット紹介され、アシッド・ハウスの金字塔を打ち立てた。その後Martin Priceが脱退。続けて92年にフォース・アルバム『Gorgeous』は Echo & The Bunnymenのボーカルで、当時ソロで活動していたI.McCullochの参加によってロック・ファンにもアピール、1996年には5枚目となる『Don Solaris』をリリース。当時のUKのクラブ・ミュージックを席巻していたトリップホップを808 State的に解釈したとも言えるダビーで、ロウ・ビートな際立った作品へ。この作品でもゲスト・ヴォーカルにManic Street PreachersのJ.D.BradfieldやSoul Coughingのボーカルをフューチャー。1998年にD’n’BのDillinja、Brian Eno、Propellerheadsを収録した日本編集盤のリミックス集『Thermo Kings』もリリース、結成10周年に合わせベスト・アルバム『808:88:98』 をリリース。2004年に『Newbuild』以前の初期の未発表音源をコンパイルした『Prebuild』を〈Rephlex〉がリリース。2008年には未発表音源を追加収録した『Quadrastate』、復刻デラックス版として『Ninety』と『Ex:el』が立て続けに再発され、現在もアシッド・ハウスの重鎮、レイヴ・ミュージックの象徴として語り継がれるマンチェスターが誇る伝説的テクノ・ユニット。

Update: 21 Jun 2014

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