Event

apostrophy

2016.1.30 sat at CIRCUS TOKYO
OPEN / START 23:00〜
DOOR: ¥2,000 UNDER 25: ¥1,000

生け花、イカ、アンビエント、コンセプチュアルなアートを展開し、ネクスト・レベルへと向かうSeiho主宰のパーティー”apostrophy”が遂に東京初開催!

LIVE :

Seiho

DJ :

Licaxxx
Aspara
keita kawakami
paperkraft
Analski

SlyAngle *NEW*

Art : Kiyoshi Matsumae

#Electronic #Dance #Art ※Over 20’s only. Photo ID required. 

 


 

Seiho Interview at melting bot

"僕たちが今一番やらなきゃいけないことはピンをさすことなんじゃないかと

取材・文 : SlyAngle (melting bot)

テン年代における電子音楽はゼロ年代のPCを中心とした環境とは変わってスマートフォンやSNSといったモバイル環境やそのコミュニーケーションによって新しい広がりを見せて来た。インターネットよる世界同時多発的なイメージの共有感覚は年々恐ろしい速度で加速し流動しながら、これまであったジャンルは定義からイメージとなり、時代のモードは希薄となり、もはやトレンドはコミュニティーと個人に委ねられ、モノからコト、そしてヒト(個)の時代を迎えようとしている。

ここ日本においてはその時代性と文脈を反映し、サウンドからヴィジュアルまでを徹底的に打ち出したアーティストの一人に間違いなくSeihoがいる。テン年代初頭にレーベル〈Day Tripper〉を立ち上げ、楽曲制作を始め、A&R、アートワーク、ミックス、マスタリングなど全てを手がけ、一時期は月一ペースでリリースを連発、’I Feel Rave’のヒットを皮切りに、インターネットから派生したポップ・カルチャーも交え、次世代のダンス・ミュージックのプロデューサーへと躍進、またレーベルを通して周りで活動しているアーティストもリリースやイベントで巻き込みながら関西から新しいシーンを形成して来た。親友Avec Avecとの別プロジェクトSugar’s Campaignではメジャー・デビューを果たし、著名な国内アーティストとのコラボレーションからリミックス、海外ツアーの展開、国内主要フェスや海外アーティストの来日公演に数多く出演するなど、インディーズから正に自力で這い上がり、シーンを超えた怒涛の活躍ぶりをみせてる。長い黒髪やレイヴ・カルチャーやハイ・ブランドのファッションをミックスしたようなカラフルなアウトフィット、ジェンダー・フリーな奇抜な容姿もさることながら、ビート〜ベース〜ハウス・ミュージックを軸に貪欲に時代のサウンドとイメージを取り込みながらハイブリッドなサウンドを展開している。昨年ホームである大阪のCIRCUSを拠点に友人達と新たなイベント”apostrophy”を立ち上げ、既に4回を開催、1月30日に昨年渋谷にオープンしたCIRCUS Tokyoで遂に東京初となる開催が決定。今回は生け花やイカを使った展示やパフォーマンスなど、新しい試みも織り交ぜ、東京を”刺し”に行く覚悟で臨んだ、そんなイベント開催間近のSeihoの心境と近況をきいてみた。

Seiho

apostrophy_hana

ー apostophyは昨年から大阪のCIRCUSを拠点に開催して来ましたが、立ち上げたきっかけを教えてください。

簡単に言うと、ファラ神くん (keita kawakami)、松前くん (イベントのヴィジュアルやアートを担当)、Asparaくんと僕が同い年で、一緒にイベントをやりたくて。昔から仲が良くて、イベントでもよく合っていたし、お互いのセンスも共有出来ていたから。

keitakawakami

Keita Kawakami

ー 昔からの仲間と何かパーティーやろうって感じですね。

はい。それが最初にあったんですけど、それともう一つ、去年はみんなにとってけっこう悩みの年でもあって、例えばファラ神くんだったら今までジュークやってきて、明日もずっとジュークやるのは違うかなと思いながらもジュークをやっている自分がいたり、僕にしても現場が大きくなって行って、それに対応出来るようになればなるほど自分の本来のセンスと離れていってることが多くて、ここをどう調整していくかってのと、松前くんは元々DJで、大阪でもイベントやってたんですけど、「オレ会社辞めて、映像作家になるわ」ていきなり言い出して、僕は2、3日で無理ってなると思ってたんだけど、まずは作るとしたらどういうものを作るか話して、それだったらCINEMA 4DとかAfter Effects勉強した方がいいんじゃないって言ったら、2、3ヶ月後には今のヴィジュアルが出来上がってた。こんなに明確なヴィジョンがあったから会社を辞めたんだなってのが分かって、これだけ揃ってんだったらイベントやりたいなと。

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CG & ART by Kiyoshi Matsumae

ー Asparaさんはどうなんですか?

Asparaくんはどう思っているか分からないけど、Asparaくんの存在は僕の中では半分先生的で、半分友達でもあって。

Aspara

Aspara

ー それは音楽をいろいろ教えて貰ったてことですか?現場で今かけてるこれ何みたいな?

教えて貰ったと言うより、共有してるものがたくさんあって、先生と言うより、僕がもしDJやってたら彼みたいな感じで、僕がDJやらなかったのは僕だからみたいなのがあって、僕が曲を作りたかったのはAsparaくんが曲作らない理由と同じで、同い年ってのもあるし昔から好きなものも、良いなと思っているものも、面白いなと思っているものも似てるけど、僕は曲を作るマインドに向かった。そこには他の要因もあって、例えば自我の話とか、AsparaくんはDJを選択したんだけど、そこが分岐点だったと思う。あとはInnit (Madegg、And Vice Versaなど関西の若手電子音楽系アーティストが参加していたイベント)の一回目からのメンバーで、同い年で言うとたぶん唯一かな。

ー ちなみにいくつでしたっけ?

ファラ神くん、Asparaくん、僕は1987年生まれの今年28歳です。Innitで出会った時が大学4回生で、そこでみんな知り合って5年くらい経つのかな。

ー それだけ気心知れた仲であれば、音楽的なところも含めいろいろ共有出来てると思うんですが、イベントやるに当たってコンセプトはあったんですか?こういうものを打ち出そうとか?

イベントやろうってなった2年くらい前から構想は練っていて、イベントであった時にどこでやろう、あれやろう、これやろうって話はしていたけど1年くらいは何も出来なかったんですよね。1年間くらいミーティングを繰り返して去年やっとCIRCUSで1回目が出来て、それから今の感じで変わってないですね。

ー その4人の仲間以外にもpaperkraftさんやAnalskiさんのような若手のDJが参加してますがこれはどういった経緯なんでしょうか?

DJのクルーに音楽好きって言われる人っているじゃないですか。

paperkraft

paperkraft

Analski

Analski

ー けどDJは基本音楽好きだと思うんですけど?

まあいろんな理由でみんなDJやってますからね(笑)

ー ああ、音楽好きっていうか音楽オタク的な感じですかね?

そう、その立ち位置で、こんなに音楽よく聞いてて、センスもいいから、気も使うし、流れとか分かってて、それ故に違和感なく存在してしまうから、どうしてもオープンとか、ゲスト後とか、ラストとかやらされがちでもったいないなと。

ー それはpaperkraftさんやAnalskiさんとか?

はい。それを言うと、ファラ神くんとかAsparaくんもそうなんですよ。僕の中では凄いもったいなくて、こんなにいいのに。。それを思ってみんなを集めたってのもあって、けどみんな別にいわゆる音楽オタク勢ではないんですよね。

ー 音楽オタクではあるけどもナードではないってことですね。

そう。けどイベント4回やってその考え方が間違えてたって気づきもあるんですよね。これは僕がライブやってるからってのもあるんですけど。オープンとラストやることも、それもDJにとっては良い時間帯なんだなと。例えばAsparaくんはイベント頭からやらせてくれって言われて、一番いい時間帯に最高の音楽を提供したいって思ってたけど、DJによってはオープンからが良い時間帯でもあって。

ー それはクラブ・イベントの流れを見る視点ですよね。オープンにはオープンの役割があって、ピークタイムはどこなのかとか。

そこはapostrophy4回やって一番気付かされたところかな。それの延長線上で前回から僕のタイムテーブルがなくなったんですよ。全員のタイムテーブルだけ決まってるんですけど、僕がやりたい時にやりたい時間だけやって良いっていう制度になったんです(笑)

ー 笑笑笑

Asparaくんがやってる時に、もし僕が途中で入れると思ったら、今から40分やらしてって声かけて途中で変わったり。

ー それはなかなかないですね(笑)

そうなんです。みんながそういう案を出してくれて。今回もタイムテーブルは決まってるんですけど、僕はどこでやるかわかりません。スムースにみんなが行ったらそれで良いし、ここは起爆剤を一回投入して、またDJで作り直した方が面白いと思ったら僕は出ます。時間の長さも決まっていなくて、今回は30分、45分、60分の3つを用意していて、どこに入れるかは流れで決めます。

ー 2回やる場合とかもあるんですか?

いや、でも2回もあるかも(笑) ここで良いなと思えばやるかもしれない。

ー Licaxxxはどうなんですか?東京の子ですが、昔から強い繋がりがありますよね。

Licaxxxは友達としてもアーティストとしても繋がりは強いですね。 やっぱりこのイベントは個人的な思い出を共有してるってことが大事で、彼女と出会ったSECO bar、そのあとのSonar、2.5D、INNIT、こないだ二人でいった水炊きまでそういう思い出。あと、ほかのメンバーとの繋がりも彼女は強いので。 もちろん、今回東京で活動されてる方をもっと呼びたかったんですが、どうしても東京の界隈の最小単位が小さすぎて、もう一人追加するだけで、カテゴリーが生まれちゃうってのもあったり。

Licaxxx

Licaxxx

ー 感覚的にはapostrophyはクラブ・イベント、パーティーなんですか?

気持ちはパーティーで、apostrophyは楽しめないと意味ないんで。

ー けど、今回は生け花やイカの展示といったこれまでにないアートへのダイレクトなアプローチもありますよね?

apostrophyやりながら、メンバーといろんな感覚を共有していく中で花に行き着いて、なんだろ、単純に花とイカがヤバいとしか言えない(笑) でも言葉にするとチープになるんですけど、例えば花って持って帰ると枯れるじゃないですか。枯れたら元の姿ではないんですよね。枯れたのも姿なんですけど、花もイカも生物で、音楽もそうなんですよね。僕が作り終えた瞬間から腐っていく。で、音楽も、肉でも魚でも新鮮なものより腐りかけてる時の方が美味しいものあるし、食べる時はいろいろで良いと思うんですけど、絶対的に腐っていくんです(笑) それは仕方なくて、音楽も鮮度のあるものだから、作った瞬間に腐っていく。パーティーも同じで、一番最初はマニキュアとかで使うスカルプを固めたものを展示してたんですけど、パーティーのあとも残っちゃうんですよね。パーティーで展示したものを残したいって思いもあったんですけど、それよりもパーティーの記憶も腐っていくし、美化されて行く部分もあるし、劣化して行く部分あるし、その時の実体験とは違ったもの変わっていくわけじゃないですか。そういところもあってパーティーに生物を入れたいって。

ー で、この前テレビでも話していたコンテンポラリー生け花をもう一回どういったものか教えてください。

 

SlyAngleさん(@meltingbot)が投稿した動画

 

コンテンポラリー生け花に行き着いたのもapostrophy始めてからで、元々陶芸や生け花とか面白いなと思っていて、みんなで釣り行きたいとか、いろいろあったんですけど、松前くんのおばあちゃんが生け花の先生だと分かって、彼が実家に帰った時に生け花の画集を何冊か持って来て貰ったんです。その中の一冊がコンテンポラリー生け花で、80年代半ばから90年代前半くらいまでの作品を集めたもので、凄い衝撃的で。ほとんど僕が思っていた生け花ではなかったんです。80年代半ばというと僕らが生まれた時期で、前衛時代に変わった瞬間に僕らは生まれちゃったんですよね。前衛であろうが、ストイックなアートであろうが、宗教画であろうが、僕らはそもそもいろんなものがフラットになった時代に生まれていて、前衛の生け花を見ているとピンを抜くことを必死になってるんですよ。

ー ピンを抜く?

ピンていうのは自分の立ち位置で、自分が日本人とか、どういう流派で学んできたとか、自分は男性でとか、自分ていうものをいかに壊そうと、自分の居場所のピンをがんばって抜こうとしている。けど僕らの生まれた時にはピンがなくって、僕のピンてどこに刺さってたのかなって。日本人ていうところにピンをさしていいのかなって。このピンが抜けている状態みたいなものと、ピンを抜こうとしているものの感覚が今一番興味があるんです。僕たちが今一番やらなきゃいけないことはピンをさすことなんじゃないかと。自分がここだって、自分のバックボーンを明かすことだったり、それは先代ががんばってピンを抜いて来てくれたからこう思えるようになったんですけど。でも、そのピンをさす時に、人種とか国籍とか世代になるのは嫌なんですよね。生け花とかイカとかって日本人ていうピンも入ってるけども、僕はこのピンはもっと違うところにささってるはずって信じてるんです。それが何かまだわからないけど、ピンという視点でコンテンポラリー生け花を見た時に面白かったんです。ピンをがんばって抜こうとしてる人たちみたいな。

ー 生け花は松前さんのおばあちゃんもそうなんですが、前に話していたCo La*の影響についても話して貰えますか?3年前にジャパン・ツアーで一緒に共演してましたよね。その後アメリカのツアーで彼のホームであるボルチモアで再会してますし。彼のライブ・パフォーマンスは桃、ティッシュ、ビールを使ったりするんですが、Seihoくんの最近のライブ・パフォーマンスに近いものがありますよね。*OPN主宰のNYのレーベル〈Software〉に所属。

 

 

Co Laの影響はめちゃくちゃでかいです。直接的に花や果物を使うとかそういうところでなくて、演出に手が届いてるってことが一番大きくて、僕はステージが大きくなるほど演出に自分の手が届かなくなると思ってたんですよ。自分はステージのコックピットにのって、照明さん、VJさん、音響さんに手伝って貰って演出が出来上がる、遠隔的なものと作って行くと思ってたんですけど、Co Laがやっている演出って、子供が部屋で音楽を流して電気のスイッチをパチパチしてるのと変わんないんですよね。ディスコ、ディスコって(笑) でも根本はここだったんですよね。僕らがやりたかったていうのは。その幼児性みたいなものに惹かれて、その演出っていうのは絶対に手元から遠くに広げていくって考え方で、外から真ん中に落とし込むのではなく、中から出して行くことを忘れちゃいけないってことを気づかしてくれた。Co Laの影響は演出とその幼児性ですかね。

ー 彼のMVでイチジクが出てくるんだけれども、Seihoくん前にライブで牛乳使ってたじゃないですか?ヌメヌメしたイカとか花もそうで、エロスな部分を感じるんですけどそれは意図的なものなんですか?

 

飲みほしたw Seiho SlyAngleさん(@meltingbot)が投稿した動画 –

 

僕の中ではさっきの幼児性にも含まれるんですけど、牛乳って幼児性とエロスが共存していて、花もそうなんですけど。生肉も生魚も幼児性とエロスが繋がっていて、これに関してはCo Laだけの影響でなくて、岡村靖幸さん、森田芳光監督の影響もあるんですよね。エロスって考えた時に女性の下着は絶対に出てこないんですよ。僕たちが性衝動を覚えた時に女性の下着は見られなかったから、それよりも牛乳飲んでる女の子や花を見ている女の子の方に興奮するっていう方が感覚的に近いっていうか。

ー あと花で思ったのが、一般的に花って美意識を感じさせるものでもあると思うのですが、それって今の電子音楽のサウンドやアートワークにもリンクしていて、若い世代のアーティストでいうとARCA、SOPHIE、Lotic、Erysia Cramptonとか、彼らはゲイとかトランスジェンダーとかもキーワードになっているし。Seihoくんにもファッション・センスも含め男性像と女性像のハイブリッド感がありますが、それは元々Seihoくんの中にあって自然に出来上がったものなんでしょうか?

小ちゃい頃から女の子っぽいところはあったんですけど、それは僕が本質的に男っぽいからであって。結局アーティストのナルシズムを追求していくと、なりたいものになっていく過程でマッチョになるか、女性になるかのけっこうどちらかになると思うんですよ。僕のなりたいものはもっと違う形で、ミュータントでもなく、もっと真ん中の存在で、それを考えた時に男性器もなくて女性器もなくておっぱいもないのではなく、僕の場合は男性器も女性器もおっぱいもあるみたいな状態の方が真ん中なんですよね。全部が足されていってるみたいな(笑)

ー そっちの方が想像したら異物ですよね(笑)

僕の中でのナチュラルはそっちなんですよね。なくなっていくより、足されていって得体の知れないものになって行く像の方が僕にとっては真ん中です。

ー ここ数年、性別、宗教、国籍、人種から来る差別の問題ってニュースやSNSの炎上含めホットなトピックじゃないですか。こういう状況を見てどう思いますか?何故みんながこんなに敏感になっているでしょうか?差別はイメージやクリエーションにも大きな影響を与えてますよね。

おっきいですね。さっきもちょっと言ったんですけど、性別とか人種とか国籍とか世代とか以上に今日何食べたかの方が人は変わるって思う。今日何食べたかで変わるくらい人は変わるから、そんなところで話してもあんまり意味ない。それだったらお前今日これ食べてたとか、昨日あれ飲んでたから嫌いっていうのと同じくらい下らない。それよりも今どこにいるか、明日どこ行くかですら人は変わるから、だからこそ性別とかそんなとこで話しても意味がない。僕は差別されるものが全くなくて人間がフラットって言ってるわけでなくて、絶対に差別してるからみんなバラバラなわけなんですよね。みんなバラバラってことは比べても仕方ないってことなんです。みんながあまりにもバラバラだから。同じ家に生まれた弟のことですら分からないのに。。

ー そんな当たり前のことを気にすることはないと。

そうそう。家の隣にずっと住んでいる気が合わないおばちゃんもいるし、この世の中には会ったことのないフランス人のめっちゃ気が合うおばちゃんもいるんです。国籍も住んでる場所も近いものや人より、ぜんぜん違うところに住んでるものや人の方が気が合う可能性があるって考えた方がリアリティあるなって。

ー あとサウンド的なところなんですが、年始のリキッドルームのKATAで生け花のパフォーマンスを見た時に、音楽がアンビエントになっていて、あれってパフォーマンスに合わせて使ったんですか?これまでのベースやハウスといったダンス・ミュージックとは違ってどうやって出来上がったんでしょうか?それとも元々作ってたんですか?

 

 

元々というか、一番最初に電子音楽をやり始めたときが00年代前後のエレクトロニカなんで、その影響が一番大きいかな。青木孝允さん、レイ・ハラカミさんとか、半野喜弘さんとか大阪で見て、そこから電子音楽面白いなと思って、その後に続いてオオルタイチさんとかドッドドさんとかまた別の関西ゼロ世代のムーヴメントがあって、でもそれと当時に関東では〈Flau〉勢がいてAUSさんとか、海外ではFenneszとかTaylor Deupreeの〈12k〉周りとか、ここでけっこう青春を過ごしたってことが一番大きいかな。

ー その青春が戻ってきたってとこもあるんですか?

僕の中では戻ってきたことが怖くって、2、3年前めっちゃ怖くっなって、これはノスタルジーに浸ってしまう時期なのではないかと。僕にとっては新しい音楽以外必要ないと思ってて、これはおそらく大阪の阿木譲さんの阿木イズムから来てるんですけど、阿木さんが未だに新譜でリリースされたもの以外聞く必要ないって言ってるのと同じで、音楽は時代を見ることだから過去のものを見ても意味がない、過去そういうものがあったいうのは分かるけど、ニュースだから過去の新聞ずっと見ていてもそれはそれでいいかもしれないけど、今のニュースを見ないと過去のニュースも分からないっていう教えも強いです。だから今新しくないってことに怖くなっちゃったんですよね。阿木さんもそうだし、矢野顕子さんとコラボした時も、うっすらその話を遠回しにきいて、年をとって回ってきた時にどう対応してたんですかって相談したら、二人とも1週目みる風景と2週目みる風景は違うという答えが返ってきて、吹っ切れたところはありました。だからああいう曲をもう一回作ろうと思ったし、矢野さんとコラボした時に作った曲が、両親からお前が高校の時に作ってた音源と似てるなって言われて、ああ、これが僕の全てなんだと。高校の時に作っていた音像とか、作りたかったものしか結局残ってなくて、矢野さんと一緒に作っている時にこれまでのものを削ぎ落として行ったら、高校時代に戻ってました。

 

 

ー あの生け花のアンビエント作品はリリースされるんですか?

はい。リリースされます。大分遅れますが。。

ー 最後にイベントに向けてメッセージあれば。

今回はCircus Tokyoもかなり頑張ってくれて、チケットがお求めやすい価格 (当日¥2,000 / 25歳以下¥1,000) になってるので、とにかく足を運んで、現場がどうなってるのか見に来て欲しいです。

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*追加DJアクト SlyAngle (melting bot) 2F LOUNGE 23:00〜

SlyAngle

more info : http://circus-tokyo.jp/events/apostrophy/


 

主催 : CIRCUS

Update: 21 Jan 2016