アーティスト

James Ferraro ,

自主レーベル〈New Age Tapes〉を立ち上げ2000年半ばより40以上にも及ぶ名義やプロジェクトで作品を量産、80年代をソースとしたニューエイジやシンセポップのサウンドやスタイルを用い、ヴェイパー・ウェイヴの先駆けとして時代の空気を常に批判性のあるシニカルな切り口で10年代USインディ・シーンにおいて絶大な賞賛を得る孤高のミュージシャン、ビデオ・アーティストでもあるNYを拠点とするアヴァンギャルドな多作家。後に〈Underwater Peoples〉からもリリースとなった 自身のレーベル〈Muscleworks Inc.〉からの話題作『On Air 』(2009)を皮切りに、〈Olde English Spelling Bee〉、そして〈Hippos In Tanks〉などUSインディ・シーンの先鋭的レーベルからアルバムを発表。同レーベルからの『 Far Side Virtual 』(2011)は英WIRE マガジンの年間チャート第一位を獲得、 続く『Sushi』(2012)では一転、ローファイから擬似的なデジタル音を用いたよりエレクトロニックなビート作品を発表。2013年に発表されたミックステープ『Cold』ではR&B / ヒップホップ / エレクトロへとアプローチ、大都市の夜を舞台とした暗黒の世界へと深化しこれまでのイメージを一新。続く『NYC, Hell 3:00 AM』(Hippos In Tnaks 2013)は淡々とした機会的でプラスティックな冷たい都会の情景と日常、孤独と欲望でひしめき合う刹那的な熱い都会の感情とドラマ、テレビのニュースやインターネットが複雑なレイヤーで入り組む現代における大都会のディストピアをダークに描いた作品へと発展。その後もフリーの音源をコンスタントに発表し、続編となるNYからLAへと舞台を移した『Skid Row』(Break World 2015)では夕暮れに染まる町並みやストリートを背景とし、ピアノとストリングによるクラシカルなトラック、メローでレイドバックなヒップホップのビートや80年代のドラマの挿入曲やラウンジ・ミュージックにPCボイス、ポエム、ラップ、ボーカル、テレビのサンプリングを織り交ぜ、 メディアや警察の乱暴と暴力、 そして戦争、格差、人種差別によってもたらされる現在の”ハイパー・アメリカ”の残忍性と葛藤を大都市LAを舞台にドラマチックに描いた作品へ。

Update: 30 Apr 2014

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